もしかして着床障害 ?

もしかして着床障害

その原因は何 ?

体外受精に取り組んでいるのになかなか妊娠できない。

その原因の一つに着床障害があ ります。

着床障害の原因や不育症との違いなど、厚仁病院の松山先生にお聞きしました。

 

松山 毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学 付属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経 て、1996年厚仁病院産婦人科を開設。日本生殖医学会生殖医療 専門医。春は名古屋で、日本レーザーリプロダクション学会がある予 定で「不妊治療をサポートする新たな領域としてとても興味のある分野 なので楽しみです」と。

ドクターアドバイス

着床障害の原因は、卵(受精卵)の異常以外では、ホ ルモンバランスの乱れや免疫的な不具合が考えられ る場合などです。

子宮環境をしっかり整えていける ように心がけましょう。

着床が続かない状態が3 回続くと着床障害

着床障害と不育症は混同されやすいのですが、不育症は、 2回以上連続して流産・死産した状態とされます。

一方、着床障害は体外受精で良好胚を3回以上移植しても妊娠しないか、化学流産に終わることと考えられています。

着床障害は、卵(受精卵)に問題がある場合や、子宮環境が整っていないことが原因として考えられます。

したがって、不育症の場合と似た状況と考えられますが、違いは妊娠反応が出る前か、妊娠反応が出ても胎嚢出現前に流産となる場合を着床障害と言い、胎嚢出現後の流産の場合を不育症ということだと思われます。

着床障害は、いくつもの要因が重なって起こる場合があるため、その原因をひと言ではいいきれません。

卵(受精卵)の異常以外では、ホルモンバランスの乱れや内科的な病態、免疫的な不具合などで着床しやすい状態がつくれないことが考えられます。

そのような状況になった場合、着床障害の検査を考えますが、以上のことも考え不育症の検討に準じた検査を提案することも多いです。

ホルモンバランスでいうと、 黄体機能不全が主な原因として挙げられます。

ほかに、糖尿病や甲状腺系の異常などの内科的な疾患、染色体異常、免疫系の異常などがあります。

子宮環境を整えるために 検査により 対処法を決める

体外受精をされる方すべてにいきなり着床障害の検査をするわけではありません。

当院では複数回、胚盤胞移植を行うも妊娠反応が出ないか、化学流産となってしまった場合に提案することが多いです。

着床できない原因の一つに、卵(受精卵)の異常があると言ってきましたが、その内訳としては染色体異常などの他に、受精卵の質が低下していることもあり得ると思います。

しかしながら、そもそも受精卵がどれだけの力(潜在的な能力)をもっているかは、現在のところ評価のしようがありません。

現在は胚盤胞の形(グレード)で評価されることが多いと思われますが、経験上必ずしも形の良い胚盤胞がいつもしっかり着床するというわけではありません。

つまりは形の評価は絶対的な評価ではないのです。

今できることは、胚盤胞がしっかりと着床できる環境の評価とその管理だろうと思われます。

すべてが評価できるわけではありませんが、子宮をとりまく体やホルモン機能の検査をはじめ、さまざまな検査方法が提案されています。

Q.着床障害と不育症の違いは?

A.不育症の延長線上にある着床障害。 着床障害(着床不全)とは、体外受精で良好胚を移植して も妊娠しない、もしくは着床が続かず化学流産に終わるこ とが 3 回以上あった場合のこと。

不育症とは、2 回以上 連続して流産・死産した状態が続くこと。

不妊症とは、避 妊せずに性生活を行っているにもかかわらず約1年間妊娠 しない状態が続くこと。

Q.そもそも着床障害はなぜ起こる?

A. 卵(受精卵)の異常以外では、 子宮環境が整っていないことが原因。

受精卵の異常以外の着床障害の主な原因は、胚盤胞がしっ かりと着床できる子宮環境が整っていないことです。

通常 なら、排卵後に子宮内膜の厚みが増し、着床に適した状態 へ変化します(着床期内膜)。

しかし、黄体機能不全などで ホルモンバランスが乱れたり、免疫的な不具合があると胚 盤胞が着床しやすい状態になりません。

そのために着床で きなかったり化学流産になったりするのです。

Q.着床障害を見極める検査方法や治療法は?

A. 以下に記したような幾つかのポイントがあります。

●黄体機能検査 ホルモン分泌に問題があれば注射剤や経口剤でホルモンバ ランスを改善します。

●甲状腺検査、糖尿病検査 病気又はその前兆が見つかれれば、その管理や治療からは じめます。甲状腺機能については最近、特に注目されてい ます。

●染色体検査 ご夫婦の染色体検査を行うこともあります。

●免疫系の検査 抗リン脂質抗体症候群などの可能性の検討を行います。

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