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【医師監修】臼井 彰 先生 東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保 春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従 事。医局長を経て、1995 年より現在の東京・亀 有にて産婦人科医院を開業。5 年前より不妊専門 の治療センターに。昨年末から始めたダイエットの 成果で、なんと8kgもの体重ダウンに成功した臼 井先生。炭水化物とビールはお預けですが、お肉 や魚はOK。我慢することなく続いているそうです。
こっこさん(31歳)からの投稿 Q.一昨年に後期流産、昨年の1月に心拍確認後に流産、12月に化学流産と、こ れまで3回流産を経験。2年半前に精液検査とヒューナーテストをして異常な しでした。昨年10月から不妊治療専門クリニックに通院。これまでの妊娠経 験などから、改めてヒューナーテストなどは行わずにタイミング療法で今日に 至りますが、ウェブ『ジネコ』の書き込みに「抗精子抗体」に関するものがあり、 とても不安になってしまいました。担当医に確認したら「こっこさんの場合は抗 体がある可能性は限りなくゼロです」と言われて……。妊娠の反応もあったし、 少なくとも抗精子抗体はクリアしたと思っていいのでしょうか。
抗精子抗体とは
そもそも、抗精子抗体とはどのようなものなのでしょうか。
臼井先生 女性の体が精子に対して拒否反応を起こしてしまうこと。
患者さんには「精子を殺してしまう抗体です」と説明しています。
この抗体は、精子の運動能力を落としたり、受精能力を低下させます。
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性交渉が原因だと考えられることが多いのですが、はっきりしたことはまだわかっていません。
抗精子抗体検査のタイミング
この抗体を持つ人は結構多いのですか? また、どのようなタイミングで調べるのでしょうか。
臼井先生 血液検査で調べるのですが、陽性反応が出る方はまれだと思います。
当院の場合では1000人に1人くらいの割合でしょうか。
抗精子抗体の検査は、ヒューナーテストの結果が思わしくない時は必ず受けていただきます。
ほかに、妊娠経験のない方が人工授精を初めてする時に受けていただくこともありますね。
ヒューナーテストの結果に異常はなかった、ということですが……。
臼井先生 ヒューナーテストでも異常は見られませんし、残念ながら流産という結果に終わってしまいましたが妊娠もされています。
ということは、担当の先生がおっしゃるように、抗体があるという可能性はまずないかと思われます。
抗精子抗体は、妊娠しない方が受けるべき検査だと思いますから。
不育症検査の必要性
では、ほかにするべき検査や治療はありますか?
臼井先生 こっこさんは化学流産も含めて、これまで流産を3回経験されています。
不育症の検査を受けられ、胎盤に血栓ができるのを予防するバイアスピリンⓇや漢方薬の当帰芍薬散なども服用し、流産に対する治療もされているようですね。
現在、不妊治療専門のクリニックに通っていらっしゃるということですが、一度、大学病院などの習慣性流産専門の先生に診ていただいてはどうでしょうか。
アスピリン製剤を投与するほか、ヘパリン療法などの治療法もあります。
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流産がくり返されてしまっていることが一番の問題だと思いますから、この点をもう少し詳しく調べて、専門的な治療をされてみるといいと思います。
たとえ習慣性流産だとしても、8割以上の方は赤ちゃんを授かっています。
希望を持って治療を続けていってください。