【Q&A】PPOS法での採卵結果と今後の治療方針について~中島先生【医師監修】

pontaさん(41歳)

採卵2回目に良好な胚盤胞を1個凍結できましたが、1回目と3回目は凍結0個でした。
PPOS法が合っていないということでしょうか?
また、ミニマル法からPPOS法に戻したのはどのような理由が考えられますか?
今後もこのクリニックで治療を続けていいのか、転院する際にクリニックの腕がいいかはどこで判断すればいいのか、アドバイスをお願いします。

福岡ARTクリニックの中島章先生に伺いました。

【医師監修】中島 章 先生 先生 (福岡ARTクリニック)
鹿児島大学医学部卒業。久留米大学病院産婦人科、国立成育医療センター周産期診療部不妊診療科(現・国立成育医療研究センター)などを経て、2025年9月、福岡ARTクリニック開業。サッカー観戦が趣味で、特にアビスパ福岡を応援しているそう。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

①PPOS法が合っていない可能性について

PPOS法が合っていないかどうかは、今回いただいた情報だけでは判断が難しいと思います。
採卵で得られた卵子の成熟度や受精状況、胚盤胞まで発育した割合、採卵時の卵胞の大きさなど、より詳しい経過を確認する必要があります。今回の経過では、PPOS法で1個採卵できた周期もあれば6個採卵できた周期もあり、採卵数だけを見る限り、PPOS法が必ずしも不適切だったとは言えません。むしろ「どの段階で胚が育たなくなったのか」を詳しく分析することが、今後の治療方針を考える上で重要になると思います。

②低刺激法からPPOS法へ変更した理由について

実際の理由は担当医にしか分かりませんが、一般的には卵巣予備能や過去の治療経過を踏まえて、その周期に最も適した刺激方法が選択されます。また、連続して採卵を行う場合には、卵巣への負担や卵胞の反応性を考慮しながら刺激法を変更することもあります。
不妊治療では「常に同じ方法を繰り返す」のではなく、その時々の卵巣の状態に応じて治療法を調整することは珍しくありません。

③今後の治療方針について

いただいた経過からは、低刺激(ミニマル法)の周期で胚盤胞凍結ができていることが一つの良い結果として見られます。そのため、今後も低刺激法を含めて検討する価値はあると思います。
一方で、刺激法の優劣を採卵数だけで判断することはできません。重要なのは、

・成熟卵がどれだけ得られたか
・受精率はどうだったか
・胚盤胞まで発育したか

という質的な部分です。
また、年齢や卵巣予備能によっては、卵胞が十分に大きくなるのを待たず、やや小さめの段階で採卵を決定することが有効な場合もあります。保険診療で胚移植を予定されているのであれば、生殖補助医療計画書の作成において、もう1個胚盤胞を確保してから2個の移植を検討されていることかと思います。

移植前には子宮鏡検査などで子宮内の環境を確認し、子宮内膜ポリープや慢性子宮内膜炎など着床に影響する因子がないかを確認しておくことも大切だと思います。

④クリニック選びで重視すべきこと

クリニック選びで最も大切なのは、受精率や胚盤胞獲得率、妊娠率などの数字だけではなく、

①疑問や不安を相談しやすい環境があること
②仕事や家庭との両立がしやすいこと
③治療方針について納得できる説明が受けられること

だと私は考えています。
実際のところ、クリニックの技術力を患者さんご自身が客観的に評価することは容易ではありません。また、ホームページに掲載されている妊娠率や採卵成績も、通院されている患者さんの年齢層や難易度によって大きく変わります。

難治性不妊や高年齢の患者さんを多く受け入れている施設では、優れた医療を提供していても数値上は低く見えることもあります。そのため、数字だけで判断するのではなく、

「自分の疑問にしっかり答えてくれるか」
「治療内容を理解して納得できるか」
「安心して長期間通院できるか」

という点を重視されることをお勧めします。

不妊治療は短距離走ではなく長距離走です。技術面はもちろん大切ですが、それと同じくらい、信頼関係を築きながら治療を継続できる環境を選ぶことが重要だと思います。

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