
「自分らしい幸せのかたち」が何より大切だと優しく語る、幸の鳥レディスクリニックのミック先生。終わりの見えない治療への向き合い方、夫婦間の温度差など、不妊治療中の誰もが抱えるデリケートな悩みについて伺いました。
【相談1】なぜ私だけ…。つらいです。(Aさん40代女性)
不妊治療を5年続け、「なぜ私だけ…」と孤独感や不公平感に悩み、友人の妊娠報告に心が沈みます。痛みやつらさに耐えて頑張っていますが、諦めきれず自分を責めてしまいます。終わりの見えない治療のなかで、メンタル面での具体的なアドバイスをお願いします。
【回答】無理にポジティブにならなくてOK。
ミック先生◆不妊治療は心にも大きな負担がかかります。孤独感や不公平感、そして誰にも言えない「黒い感情」を抱くのは、実はとても自然なことです。どうか自分を責めないでくださいね。まずは、ここまで真剣に一生懸命に頑張ってきたあなた自身を、心から認めて褒めてあげましょう。心に余裕がない時は、無理にポジティブになろうとしなくても大丈夫。趣味や好きなこと、ご家族との時間にも意識的に目を向け、心身のバランスをとることを意識してください。専門カウンセリングなども上手に利用しながら、あなたが「自分らしい幸せのかたち」を大切にできるよう、私も一緒に伴走させてくださいね。
【相談2】夫との間に温度差があります。Bさん(30代女性)
不妊治療3年目ですが、体外受精へのステップアップに夫が抵抗を示しており、「子どもができなければ二人でいい」と言われています。私はどうしても夫との子どもが欲しくて、最近は言い争いも増えていて…。気持ちを伝えることが難しく悩んでいます。
【回答】「違い」があるのは自然なこと。
ミック先生◆ご夫婦間で妊娠・出産への気持ちに温度差が生まれてしまうことは、決して珍しいことではありません。どうぞご安心ください。お互いの本音や背景が違うのは「対立」ではなく、自然な「違い」として、まずは受け止めてみましょう。
体外受精への抵抗には、費用や身体的な負担など、さまざまな背景があるものです。どちらか一方だけが我慢するのではなく、「納得」と「尊重」を最優先に治療計画を立てることを大切にしてくださいね。時には医師も交えて一緒に話し合う場を設けることで、よりよい選択肢が見つかることもありますよ。