【Q&A】高刺激?低刺激?合う方法は?~松原先生【医師監修】

yuさん(37歳)

1.まだ2回の採卵ですが、今後も高刺激で注射の単位を増やし、継続していって良いのでしょうか。または私の場合は低刺激が適応となるのでしょうか

2.なぜ、卵胞は育っているのにE2値が上がらないのでしょうか、それが、空胞や未受精の影響でしょうか。
精神的に弱いのですが、ストレスの影響はあるのでしょうか。ストレス解消のためにウォーキングをしていますが、1日1万歩(3000歩×3回)で運動のしすぎ?でホルモン値に影響はあるのでしょうか。(もともとはランニングや筋トレの習慣がありましたが中止しています)
日常生活でE2値を改善する方法はありますでしょうか。

操レディスホスピタルの松原先生に伺いました。

操レディスホスピタル 松原 寛和 先生
名古屋市立大学卒業。操レディスホスピタルでは、生殖医療部門の統括部長として、主に不妊治療を担当。医学博士。日本産科婦人科学会専門医・指導医。日本生殖医学会 生殖医療専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●高刺激と低刺激のどちらが適しているか、先生のご意見をお願いします。

空胞や未成熟卵の割合が多い場合に、高刺激の排卵誘発が原因となっている可能性も考えられます。低刺激の排卵誘発を行うことにより、成熟卵の割合が増加するかを一度試されても良いかと思います。

●卵胞が育っているのにE2値が上がらない理由について教えてください。

空胞や未成熟卵の割合が多いためにE2値が上がらないと考えられます。しかし、その原因を調べることは難しいですので、刺激法の工夫をされることをお勧めします。

●精神的ストレスが不妊治療に与える影響について、先生の見解をお聞かせください。

日常生活の中からストレスをなくすことは難しいことです。そして、何にストレスをどの程度感じるのかも、人によって異なります。
しかし、過度なストレスは、生殖機能にも良くない影響を与えていると考えられますので、ご自身でリラックスできる環境を整えることをお勧めします。

●1日1万歩のウォーキングがホルモン値に影響する可能性はありますか?

ウォーキングなどの有酸素運動は代謝とホルモンバランスを改善し、生殖能力の上昇に効果があるとされています。そのため、1日1万歩のウォーキングはホルモン値に良い影響を及ぼすことを期待できます。
一方、過度な運動は排卵障害を引き起こし、生殖能力の低下を導く可能性があります。

●日常生活でE2値を改善する方法についてアドバイスをお願いします。

E2値を改善するためには、卵子の質を良くする必要があります。そのためには、以下のようなことをお勧めします。

1)適度な運動(ウォーキング、ジョギング、ヨガなどの有酸素運動)をする
毎日のウォーキングをこのまま継続されると良いと思います。

2)良質な睡眠をとる
6~8時間睡眠が良いという報告もあります。また、良質な睡眠は、ホルモンバランスを整えて卵子の質改善にも働く可能性があります。とはいえ、理想通りにはいかないと思いますので、できる範囲で睡眠を整えられると良いでしょう。

3)バランスのよい食事をとる
厚生労働省発行『妊娠前からはじめよう 健やかなからだづくりと食生活Book』の中で《食生活指針》として以下のように記載されています。
・妊娠前から、バランスのよい食事をしっかりとりましょう
・「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
・「主菜」を組み合わせて、たんぱく質を十分に
・不足しがちなビタミン・ミネラルを「副菜」でたっぷりと

4)ストレスを溜めすぎない
先ほどもお答えさせていただいたように、ご自身でリラックスできる環境を整えることが大切であると思われます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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