【Q&A】着床するのに流産、移植を繰り返すしかない?~小林先生【医師監修】

キャロさん (41歳)

着床はするものの、その後が続かず流産を繰り返しています。今年になってPGT-A胚を2回移植しましたが陰性でした。貯卵がないため、また採卵するのですが、クリニックではPGT-Aで結果が出なかったので、次の採卵ではPGT-Aをせずに2個移植していく方向に戻してはどうかと提案されました。2個移植でも、出産まで至っていないのと、PGT-Aの結果でA胚の割合が低かったため、無駄な移植になるのではないかと不安です。
かといってPGT-Aで結果が出ていないので、またPGT-Aをしても結果が出ずお金だけが無駄になるのではないかという不安もあります。

今後、どのような方針で進めたら良いでしょうか?このまま同じやり方で移植を繰り返すしかないのでしょうか?

検査しておいた方がいい内容などもありましたら教えていただきたいです。

神奈川レディースクリニックの小林先生に聞いてみました

【医師監修】 神奈川レディースクリニック 小林 淳一 先生 
慶應義塾大学医学部卒業。1984 年より習慣流産の研究と診療に携わり、1989 年より済生会神奈川県病院においてIVFを不妊症・不育症の診療に導入。その後、新横浜母と子の病院の不妊・不育・IVFセンター長に就任。2003 年、神奈川レディースクリニックを開院する。患者さまの個々のペースに合わせた無理のない医療を目指す。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
ほとんど完全にできる検査・治療をしていると思います。このような方は当院にもいらっしゃいます。
一般的に流産は35歳で20%、40歳で40%とされていて、絨毛染色体検査をしても半数の方は正常です。つまり、胚の染色体正常(PGT-A)のものでも胚の発生異常や別の要因で着床しなかったり、流産することになります。この傾向は40歳以上の方で多いように思います。
PGT-Aは異常胚を除外する目的で時間的ロスを防ぐのに役立ちますが、以上の点を理解する必要があります。私の経験では、自然妊娠する方をIVF(体外受精するとなかなか妊娠しなかったり、IVFで採卵・凍結して移植する前の周期の自然妊娠や全胚凍結周期の自然妊娠などがあります。
このような方たちはいい意味でリラックスしている時のように思います。

全ての治療を終了したときは、一度原点に戻ってリラックスしてみるのもいいかもしれません。また、IVFなら新鮮胚を2段階移植、または新鮮胚3日目を2個移植をしてみるのもいいと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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