タイミング法5回で結果が出なかったら治療を休むべき?

めーさん (25歳)
不妊治療前に7年ほど無月経でカウフマン療法を実施。現在、不妊治療中で、排卵誘発しながらタイミング法5回目に挑戦中です。原因がわからず、今後も妊娠できないのではと思ってしまいます。私はもう少し頑張りたいのですが、主治医に「5回目がダメだったら治療を休もう」といわれました。治療は積極的にしなくてもいいという判断?また、残尿感のような下腹部の違和感、かゆみ、性交痛などがありますが、何科でどんな検査を受ければいいでしょうか。

かしわざき産婦人科の柏崎先生に聞いてきました

【医師監修】かしわざき産婦人科 柏崎 祐士 先生
京都府立医科大学医学部卒業。2000 年まで日本大学板橋病院で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」院長に。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科内視鏡学会認定医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

めーさんのデータを見られて、何か問題があると思われますか?

柏崎先生●7年ほど無月経でカウフマン 療法を受けられていたようですが、ホルモン検査などの結果を拝見すると現在は特に問題なく、排卵を妨げているような要素は見受けられません。AMH値も 5.27ng/mlということですから、卵巣の中に卵子の貯金はまだたくさんあると思います。排卵の状態に少し問題があったとしても、排卵誘発剤を使えばちゃんと排卵するでしょう。

残尿感やかゆみなど下腹部の違和感、性交痛などがあるようですが、これは不妊の原因になりますか。どの科で診てもらえばいいのでしょうか。

柏崎先生●残尿感については膀胱の炎症 などが考えられるので、症状が続くなら泌尿器科で尿の培養などの検査を受けてみることをおすすめします。
かゆみについてはカンジダやトリコ モナスなど性感染症の可能性も考えられますが、それが直接不妊症につながるとは限りません。
ただし、クラミジア感染症については注意が必要でしょう。クラミジアに感染すると卵管のほうまで炎症が進み、それが卵管の癒着や閉塞、腹膜炎などを引き起こして不妊の原因になることがあります。当院では最初に受ける検査で患者さん全員にクラミジアの検査を実施。もし感染していたら薬で治療を行ってから不妊治療に入るようにしています。


性交痛に関しては、不妊の原因に関係していることも。もっとも考えられるのは 子宮内膜症です。痛みがひどく、長く続くようでしたら、主治医の先生に正直に話して、詳しい検査を行うなどなるべく早く対応されたほうがいいでしょう。
性感染症に関して受診は婦人科でも産婦人科でも構いません。子宮内膜症はこの疾患を重視する専門の先生に診てもらうのも一つの選択肢かと思います。

タイミング法を5回行って結果が出なければ治療をお休みしたほうがいいですか?

柏崎先生●一般的に同じ治療法で妊娠する方の9割以上は5回以内で妊娠しています。主治医は5回以上タイミング法を続けても難しいという意味で「休もう」とおっしゃったのでは。
当院では妊娠のご希望があればどんどん先へ進みます。人工授精や体外受精など次のステップへ進むか、子宮内膜症があれば腹腔鏡下手術で治療するかなど選択肢はいろいろあります。早めの妊娠を望まれているなら、主治医に相談されてみてはいかがでしょうか。

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