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インスタや TikTok など SNS に上がってくる「○○すれば妊娠できる」「○○で若返る」といった気になる広告、一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。インパクトの強いこうした広告には、虚偽や誇大広告を禁止する「薬機法」を無視した表現や、高額なプログラムへの誘導などがあり、注意が必要です。ジネコが見つけた気になる広告の内容について、先生方の見解を伺うとともに、正しい情報の見極め方を教えていただきました。
※ここでは回答の一部を掲載しています。詳しい解説はぜひ動画をご覧ください。
田中先生に、お話しを聞いてきました。
セントマザー産婦人科医院 田中 温 先生 順天堂大学医学部卒業。膨大な数の研究と実験は毎日深夜にまで及び、1985年、ついに日本初のギフト法による男児が誕生。1990年、セントマザー産婦人科医院を開院。現在も研究と実験に精力的に取り組んでいる。日本受精着床学会副理事長。順天堂大学医学部客員教授。
ビタミンCで若返る?
―ある婦人科クリニックのドクターの監修で「ビタミンCで卵巣が若返る」という広告があります。先生の見解は?
田中先生●うたい文句の「若返る」は、その言葉自体がとんでもないもので、明らかに誇大広告です。女性の卵子は原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞、前胞状卵胞、胞状卵胞を経て成熟卵胞になりますが、仮にビタミンCで若返るというのなら、初期段階の原始卵胞や一次卵胞に対して作用しているということになります。世界中どこを探してもそのような論文や学会発表は一切なく、まったくのデタラメです。
――長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子。抗老化遺伝子ともいわれる)を活性化させるサプリで、卵子の質もよみがえるそうですが…。
田中先生●女性は閉経しても卵巣内に原始卵胞や一次卵胞が残っていますが、薬やサプリを摂取したとしても、生理が再開することはありません。これまでに膨大な研究がされてきてなお、人間の老化を遅らせる方法は見つかっていません。よって、卵巣の老化を確実に遅らせて卵子の質をよみがえらせる薬やサプリはありません。
さらに詳しく! 動画で解説
「細胞質置換について」
「着床前遺伝子診断と卵子提供」