インスタや TikTok など SNS に上がってくる「○○すれば妊娠できる」「○○で若返る」といった気になる広告、一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。インパクトの強いこうした広告には、虚偽や誇大広告を禁止する「薬機法」を無視した表現や、高額なプログラムへの誘導などがあり、注意が必要です。ジネコが見つけた気になる広告の内容について、先生方の見解を伺うとともに、正しい情報の見極め方を教えていただきました。
浅田先生に聞いてきました。
【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
不妊原因は腸の不調
――「腸の不調が卵子の質の低下をまねき、不妊原因になる」という研究結果をうたい、セミナーに誘導している広告を見つけましたが、本当でしょうか?
浅田先生●生殖医療の分野で腸が妊娠・出産をコントロールするという認識はありません。「卵子の質」を左右する最大の要因は「卵子の老化」です。生まれる前につくられて20年、30年と経過した卵子は、受精現象の中で染色体異常が起きやすくなるため、妊娠率が下がります。そこに腸の要素はなく、卵子の本質を知らないとしか思えません。大きな間違いだと言えます。
――その広告では「不妊治療をする前に体質改善をしよう」とPRしています。
浅田先生● 不妊の患者さんがもっとも多く妊娠・出産できているのは、きちんと不妊治療を行ったからという明確なデータがあります。逆に、不妊治療の開始が遅くなればなるほど成績は下がります。確証のない体質改善で時間やお金を無駄にせず、専門クリニックを受診することが、早い結果に結びつくと思います。
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「40 歳以上の妊娠率について」
「クリニックのステップアップ」